20代から不妊治療をしているシオリとユズオ夫婦のブログです。子宮外妊娠や体外受精などの経験を絵日記風に紹介しています。
※過去4年分の事を遡って書いているため、記事はリアルタイムではありません。治療歴はこちらから
★2019年10月頃のお話です。
★前回のお話はこちら→体外受精説明会
説明会を終えて
体外受精の説明会が終わってから、2人で改めて話し合い。
我が家のステップアップへの意欲はどうなったかというと…
ほぼ消えてしまいました。
まず、通院スケジュールや副作用の心配もろもろを考えると、明らかに仕事との両立は不可能。
(パート先は小さい飲食店、しかも基本的にワンオペで、急に休んだり中抜けができなかったんです)
だからやるなら採卵前後の時期をまとめて休んでおくしかないけど、その間の収入は無くなるってことで。
移植までに最低でも50万くらいかかって。
それで成功率は40%・流産率が20%…
初回で産める確率は半分も無いってこと。
そう考えるとコスパ悪くない? と思ってしまいました。
左から排卵さえすれば、きっと自然妊娠できるのに。
どうしても、心のどこかで「2回も妊娠したんだから体外なんてしなくてもいいはずだ」っていう甘い考えが抜けず…
やっぱり今すぐ体外はしない。保留!という結論に至りました。
ユズオの方も、思った以上の負担の割に思った以上に成功率が低いことが意外だったようで、保留にはとりあえず納得してくれました。
次の周期
説明会から2週間ほどでリセット。
次の周期をどうするか?と考えた時…何を思ったのか全然覚えてないんだけど、通院は引き続き休むことにしました。
基礎体温だけはずっと測っていたけど、完全に自然にまかせた自己流タイミング周期。
※何度も書いていますが、片側卵管無い+PCOS+精液所見不良の3点揃っている私達は、通院なしでの妊娠はかなり厳しいです。
それでも希望は捨てず、基礎体温で怪しいと思った日に念のためタイミングを取る日々でした。
本物の排卵日が来たと思われるのはD55で、痛みの感じからして右排卵。(痛みに敏感だから8割方当たる)
右排卵の上、どう考えても卵の質は悪いだろうから妊娠は絶対無理だろうと思ったけど、なんとなく妊娠超初期症状みたいなものが続いていて…
やっぱり気になっちゃってフライング。
するとなんと!
高12と高14のクリアブルーで髪の毛線が出たんです。
hCGは使っていない周期だから、間違いなく自前の陽性でした。
でも順調な妊娠なら、高12の時点でもっと濃く出るだろうし。
そんなに期待はしなかったけど、かなりびっくりでした。
少し遅れて高16でリセット。
えー…
化学流産だったのかなぁ?
排卵さえ早ければ
もし病院に行って早く排卵させていれば、普通に育ったんじゃ…?
病院に行ってれば排卵日は確実にわかるし、黄体補充も出来たかも…そしたら結果は違ったかも…
あれこれ考えて少し悔やみました。
自分で勝手に休んだくせに、わがままな話です。
でも全てがどうでもいいモードで「うん、まぁいっか」で終わる自分もいました。
次はどうする?
引っ越しのバタバタで通院を休んでから、早くも5か月が過ぎようとしていました。
不妊治療を始めてから約2年。
思えばいつも病院や排卵のスケジュールを気にして生活し、副作用で太ったり吐き気がしてて、財布はすぐ空になって、休みは潰れるし予定は入れにくいし。
そこまでしても結果が出ないという不条理さに病んで泣いて。
良い事なーーーんっにもないことにお金と時間を使って生きていくのが、もう当たり前になっていました。
それが通院を休むと決めたらどうなるかって言うと…
自分の都合だけで先の予定を立ててよくて。体も心も軽くなって。変な出費はなくなって。排卵日のプレッシャーとか気にせず好きな時に仲良しして。仕事と家事以外は自由時間。休みの日は休み。
もうねー、めちゃくちゃ楽なんですよ。
ピカピカの新居で、ユズオと猫とのんびり生活する毎日は単純に楽しかったんです。
「今すぐ子供が欲しい」っていう気持ちさえなければ、ずっとこうしていられたんだよなぁ…最初から。
そう考えたらなんかもう…
もう子供を無理に欲しがるのは諦めてもいいかなと、心から思えるようになっていました。
ちょうどこの頃、友達が妊娠したという連絡がきたんですが…
その夫婦には自然妊娠の確率ほぼ0%と言われるような問題があって、上の子は顕微授精で苦労してやっと出来た子だったんです。それが2人目はまさかの自然妊娠だったので、本人も周りもびっくり。
なんか…じゃあ不妊治療って何なんだろうね?ってなって。
また別の知人夫婦は、長年子供に恵まれなかったのに40過ぎてから自然妊娠、無事に出産しました。
そういうのを見てると、うちも自然に(運命に?)まかせればいいかなと思ったんです。
夫の気持ち
そこでまた、今後の方針を話し合い。今の考えをそのままユズオに伝えました。
シオリ:子供が欲しい気持ちが無くなったわけではないけど、不妊治療してまで今すぐっていうのは無くなった。辛い事、痛い事ばっかりなのに結果が伴わないことをこれ以上続けたくなくて、ユズオも同じ気持ちならもうやめたい。二匹目の猫を迎えて暮らしていくか、養子縁組のことを真剣に考えてもいいと思う。でもユズオがすごく子供を欲してるのはわかるから、何しても諦めたくないって言うんだったら”ユズオの為に”体外やってもいい。
…ユズオは優しいから、自分の本音を隠して(本当はやめたくないのに)治療をやめようと言ってくる可能性はちょっとあるかなと思っていました。
この先ずっと我慢させるくらいなら、ぶつかって喧嘩になった方がマシだ。
な~んて思ってたけど、心配ご無用。
奴は治療をやめていいなんて、ひとっっっことも言いませんでした(笑)
ユズオ:俺はまだ子供を諦める気は一切ない。養子を考える気持ちは今のところ0%。体外を試しもしないで終わるのは早すぎる。大変なのはシオリだけど、協力はするから頑張ってやってほしい。
※↑もちろんこんな言い方じゃなく言葉を選びながらオブラートに包んで話してくれました。でも要するにこういうこと。
って、今は笑い事だけど、ちょっとショックでしたねー…。
色々と大変だったのをずっと横で見てきてて、それでも続けてほしいと言えるんだなぁー
めちゃ頑固やん…って。
まぁでもユズオの子供好きは本当凄いんです。
だからこの答えも想定内。
そっかー、そうだよねー。で終わりました。
いま頑張れば2人目用に凍結卵を残せる。(←まだ甘い考え)その魅力は大きいしなー。
ユズオがそこまで言うなら1回やりますか!
その後の話し合いの結果、
- シオリの仕事は2週間休む(収入半減)
- 費用はユズオのボーナスから出す
という約束で、とりあえず1回採卵に挑戦しようということに。
ちょうどリセットしたところだったので、思い切って病院に電話して体外を始めたい意思を伝えました。
指示された受診日はⅮ10。
そこから体外に向けた検査を始めていくことになりました。
No.94に続きます。