20代から不妊治療をしているシオリとユズオ夫婦のブログです。子宮外妊娠や体外受精などの経験を絵日記風に紹介しています。
※過去4年分の事を遡って書いているため、記事はリアルタイムではありません。治療歴はこちらから
★2018年7月頃のお話です。
♡ここまでのあらすじ
タイミング周期で妊娠したものの、5週で2回目の子宮外妊娠が確定。入院と同時に子宮掻爬の手術を受けた翌日、卵管切除手術。地獄のような一晩がやっと明けたと思ったら、また別の地獄が待っていました。
看護師:シオリさん、今から歩く練習を始めますね。トイレまで行けたら導尿が外れるし、水も飲めるから。頑張りましょう!
いや、歩くってまだ…どう考えても無理っぽいんだけど…。
大丈夫かなぁ。
11:00 1回目
いきなり自力で立って歩くように言われるのかと思っていたけど、想像以上に慎重な対応でした。
まず寝たまま血圧→頭を起こして血圧→ベッドに座って血圧→立ち上がる→その場で足踏み→問題なければ歩く、という流れ。
短時間で血圧測りまくりです。
術後から寝たきりだったので、頭を上げるのすら1日ぶり。ベッドに座っただけで、立ちくらみのように血の気が引きました。
でも血圧的にはまだ大丈夫だと判断され、支えられながら立ち上がった瞬間…
足は子鹿みたいに震え、強烈な目眩と吐き気。
意識を失うように倒れました。(ベッドサイドだったから布団にダイブで済んだ)
全身から汗が吹き出し、血圧は急降下。一旦中断して休むことになりました。
歩けなかったけど立てたということで、足の機械が外されました。そして、少しだけならいいよと飲水許可が出ました!
待ちに待ったお水…。48時間ぶりの水分でした。
久しぶりだとむせやすいので1口だけ。
看護師:じゃあ少し休んだら、もう一回頑張ろうね!
(いや…多分無理です…泣)
すぐに来るかと思ったら、昼をまたいでもそのまま放置。体調が悪すぎて、何も出来ず呆然と過ごしました。
14:00 2回目
3時間休んだので体調は元通り(決して良くはない)。さっきと同じく、血圧→座る→血圧の流れです。
立ち上がるまでは問題なかったので、次はその場で軽く足踏み。
吐き気がしました。
でも前より大丈夫そうだから頑張ろうと励まされ、そのまま歩いてみることに。
たった数メートル先のトイレが遠い、遠い。
部屋を出て数歩…吐き気や目眩や、もう訳がわからない状態になり立っていられなくなりました。たまたま横にあった車椅子に座らせてもらって血圧を測ると、また急降下。今までにないくらいの強い吐き気。
シオリ:吐きそうです…あ…ほんとに…やばいです…
看護師:一回部屋戻ろうか!容器、容器…ハイ!!
受けとると同時に思いっきり吐きました…が。
驚くほど何も出ませんでした。唾液を口から出しただけみたいな、透明な胃液がちょっぴり。
胃ってこんなに空っぽになるのか…。
ベッドに戻ると、また汗が吹き出しました。顔色が悪すぎたらしく、もう一度休憩することに。
これは本当にヤバい…
うん、無理。泣きそう。
吐いてまで今やらないといけないことなの?
ふと気付いたらスマホが棚の上に置かれてしまっていて、(自分で取りに行けないので)時間もわからず何も出来ずに過ごしました。
16:00
変わらずグロッキーな状態で横になっていると看護師さんが。
看護師:シオリさん、あのね…どうしても今日中に歩けるようになって食事を始めたいの。ここで頑張ることで、今後の治りの早さが全然違うから。吐き気が心配なら今から吐き止めの薬入れるから、なんとか頑張ってくれる?
シオリ:(;ω;)…はい…
え…鬼かな…?
すぐに点滴から吐き止めが入れられ、しばらく放置。
30分たっても効き目はわかりませんでした。
17:00 3回目
夕食時間に間に合わせる為には、今回がラストチャンス。
そう言われてもとにかく体調が悪くて、歩ける気はしないんですが。
まず、寝た状態での血圧…
上が80。
え?死ぬのかな?
それを見ても看護師さんは、もう何がなんでも無理して歩いてもらうつもりらしく…中断されませんでした。
少しだけ休んで測り直すと、上が90に。
吐いてもいいように容器を持って歩くことになりました。
導尿と点滴の管に繋がれ全身ドロドロ・ボサボサ・ヨロヨロ。こんな情けない姿を家族に見られなくてよかった…。
少し歩くと、吐き気はあるけど前より大丈夫。
(今度こそ絶対にトイレまで行ってくれ)という圧に押され、ヨロヨロと少しずつ進みました。
トイレに着いたらすぐ引き返し、何とか部屋自力で到着…!!
相当しんどいけど今回は吐くほどではなく、血圧も問題なしでした。
17:30 解放
ついに導尿が外されることに。これが痛いって人もいるみたいだから身構えたけど、私は全く何ともなかったです。
それから初めて体を拭いてもらえました。
不快だったT字帯もなくなり、綺麗なパンツとパジャマに着替えて少しだけスッキリ。
その代わりこれからは自分でトイレまで歩かないといけないわけで…想像しただけでゲッソリです。
歩く練習をギリギリ17時台にクリアしたので、夜からは食事もOKに。
疲れすぎて食欲は0ですが。
最初はお粥とはいえ、食べられるかな。
そう心配していたところに運ばれてきた食事は、また想像を超えたものでした…。
No.69に続きます。