20代から不妊治療をしているシオリとユズオ夫婦のブログです。子宮外妊娠や体外受精などの経験を絵日記風に紹介しています。
※過去4年分の事を遡って書いているため、記事はリアルタイムではありません。治療歴はこちらから
★2018年7月頃のお話です。
♡ここまでのあらすじ
タイミング周期で妊娠したものの、5週で2回目の子宮外妊娠が確定…入院当日に子宮掻爬・翌日に卵管切除手術を受けました。術後の地獄を乗り越え少しずつ回復中。
4日目の朝
入院してからずっと、こまめに看護師さんが入ってきては血圧や体温を測っていたんですが…
4日目にして、朝になっても誰も来ない。いきなり放置され不安になりました。
もう勝手に好きなようにしててってこと…?いや、そんなに元気じゃないんですけど。トイレ行くのもやっとなのに…
と思っていたら看護師さんが顔を出しました。
看護師:シオリさん、今日は皆さんに体重測ってもらう日なんだけど、もう1人で歩けるよね?ナースステーションの前に体重計置いてあるから、朝食前に自分で行って測ってきてね~!
え…鬼……鬼ですか…?(;Д;)
何で大丈夫かどうかは聞いてくれないんでしょう。
「歩いてね」「食べてね」「行ってね」…昨日からずっとスパルタです。
体重
ナースステーションはトイレよりも遠く、廊下を進んだずっと先…正直、行ける気は全くしない。
でもああ言われちゃうと、無理してでも行くしかないよなぁ。朝食までの時間を考えると早めに行かないと、今の足では間に合わない。…よし、今すぐ出発しよう!
手すりに掴まりながら這うように進み、やっと辿り着いたナースステーション。体重を人に知られるのって凄く憂鬱なんです。
点滴しながら寝たきりだったし、すっごい増えてたらどうしよう…嫌だな…
覚悟を決めて乗ったら、入院時に測った時より更に減っていました。あぁ、良かった。この数字ならまだ大丈夫かな。
※ちなみにこの日の体重が、BMIで言うと22.1でした。ちょうど22の時が1番妊娠しやすいって言うけど本当なのかもなぁと実感しました。と言いつつ、普段はもうちょっと重めです…何とかしたいです。
ここから部屋に戻るのがまた大変でした。術後歩いたことのない距離で、体力は限界寸前。
何とかベッドに着くと、1日分の力を使いきったかってくらいの疲れでゼエゼエ言っていました。あー、辛かった…。
ちょうどそこに、担当とは別の看護師さんが二人組で入ってきました。
手には体重計を持って…。
看護師:シオリさん、今日は体重測る日なんで乗ってもらえますか~?
シオリ:え…今行ってきましたよ?
看護師:…え?自分で??もうあんな所まで1人で歩けたんですか?!
シオリ:いや…しんどいですけど、自分で行ってって言われたんで…
看護師:え~っ、自分で行ってもらうのはすごく元気な人だけで、待っててもらえばこうして私達が部屋を回ってるんですよ…あ~、大変だったよね、ごめんね…?
…はぁぁぁあんっ?何だそれ??
もしかしてスパルタなのは病院の方針じゃなくて、あの人だけなんじゃ…?
何とも言えない怒りに包まれましたが、疲れすぎて怒る元気もなく。
そのあと出てきた朝食は、予告どおりの普通食。まだお粥も入らないのに…普通のごはんは固い…。
頑張って3割程しか食べられませんでした。
9:30
両親がお見舞いに来てくれました。父の手には、巨大な紙袋が2つ。暇潰し用に良いだろうと数十冊の漫画を選んでくれて持ってきてくれました。(実家は1部屋潰すほど大量の漫画と小説があります)やること無いからありがたい。
父は普段通り、冗談を言いながら明るく振る舞っていたけど…
家で母から話を聞いた時は泣いていたそう。(孫を待ち望んでいるのと、私が不妊治療で大変な思いをしていることを知っているので)
それは後から母がこっそり教えてくれたんですが、今思い出しても胸が痛い。
この入院からもうすぐ3年もたつのに流産の報告しか出来ていないので、また泣かせてしまっていたらと思うと更に心苦しいです。
10:00
看護師さんがシャワーの使用方法を説明に来る。
シャワー室は部屋のすぐ近くなので楽かと思いきや、その使い方は…
- ナースステーションに置いてある予約票に名前を記入
- 時間になったらナースステーションに鍵を取りに行ってシャワー室へ(使用は30分以内)
- 終わったら鍵を返却
- 部屋に戻る
…めっちゃ歩かないといけないじゃん…(っていうかそれなら体重測りに行く時に教えてくれたら一緒に出来たのに。)
看護師さんが代わりに予約してきてくれる…なんて事はもちろんなく、自分で全部やるしかない。
体調を考えると明らかに無理そうだったけど、この4日間で体ふきは1度してもらえただけ。全身の気持ち悪さは、とっくに限界を通り越してました。
気合いでナースステーションまで歩き、予約票を見たらけっこう埋まってる。17:30に予約。
傷が痛いけど、頼んである痛み止めがいつまでも届かない。(頼んだのは昨日)
午後
昼食の時間。頑張って8割がた食べる。さすがにまだ完食はキツい。
昼食後はひたすら持ってきてもらった漫画を読んで過ごす。
外は38度の猛暑。室内も30度近くあって汗が止まらないけど、もうすぐシャワーできるから構わずたれ流しておく。
もう全身がドロッドロのギットギト。
義母から連絡。「シオリさん大変でしたね。今日お見舞いに行きたかったのですが、ユズオに来なくていいと止められてしまい…」
ええ、絶対に来ないように言ってくれと頼んだのは私です。気を遣って話をする体力なんか無いし、こんな姿を義両親に見られるとか…社会的に死にます。(落ち着いたら快気祝いで食事を、ということでおさめてもらいました)
17時、体温を測ると38度。やたら暑いと思ったら熱あったのか…。
シャワーやめとく?と聞かれましたが
いや、入ります!もう4日入ってないんで限界です…!
明日まで我慢なんて絶対無理…
気合いで行くしかない。
ついにシャワー
昨日よりだいぶ早く歩けるようにはなってきたけど、何度も往復することや着替えを考えるとシャワーに使える時間は実質5分くらいでした。
立ってるだけでフラフラするし、手を動かさないと洗えない。お風呂ってこんなに体力いるものだったのかと驚きました。辛い…痛い…でもそれ以上に、爽快感が凄い!!
まさに生き返った気分。
傷口に貼ってあったテープは、シャワーの時に剥がしていいと言われていました。
穴を開けた後がどうなってるのか想像もつかず、恐る恐る剥がしてみると…思ったより全然目立たない。
最初の説明では3ヶ所開けると聞いていたけど、実際はおへそに1ヶ所だけ。抜糸などの後処置も特にありませんでした。
何とか時間内に鍵の返却まで終わらせ、ベッドに戻った時にはもうヘトヘト。
テーブルには夕食が置いてありました。
No.71に続きます。