20代から不妊治療をしているシオリとユズオ夫婦のブログです。子宮外妊娠や体外受精などの経験を絵日記風に紹介しています。
※過去4年分の事を遡って書いているため、記事はリアルタイムではありません。治療歴はこちらから
★2019年5月頃のお話です。
★前回のお話→No.83 キャンセル周期
□あらすじ□ 子宮外妊娠で卵管切除後、体外受精へステップアップしようと決めて転院したら気が変わり、もう少しタイミングとAIHで粘ることになりました。
この記事では病院の話は出てこないので、不妊治療の続きだけ知りたい方は飛ばしてください!
遊びまくった高温期
GW中に自分でタイミングを取っていたものの、D18で30㎜まで育ってしまっていた卵。
妊娠の可能性も無くはないけど、まぁ無いだろうな…という感じで、あまり期待できなかった周期でした。
でもこの高温期はたまたま遊びの予定が詰まっていて、友達と会ったり、ライブに行ったり、温泉旅行もありと…妊娠を気にしなくていいならむしろ好都合。
変に落ち込まず、思いっきり楽しむことにしました。
旅行
この半年ほど前に持ち上がった、旅行の話がありました。
シオリ母が急に、ユズオも一緒に4人でどこか行けないだろうかと言い出したんです。ユズオはコミュ力が異常に高いから大丈夫だろうけど…シオリ父はめちゃくちゃ人見知りというか、気を遣う場が嫌いな人。
絶対に嫌だって言うだろうと思ったけど、「ユズオ君となら行ってもいいかもしれないって言ってる」と母。
私もユズオも驚きました。
用事で家に来ても玄関先までで、ユズオが中でお茶をって誘っても必ず断る両親が何故??って(笑)
まぁなんだか理由はわからないけど、これも親孝行。シオリが妊娠したら行けるかわからないけど、という条件付きで計画を立てたのでした。(普通に行けて、それはそれでモヤッとした)
目的地は、静岡の「鐘山苑」さん。
シオリと母が、生前の祖母と一緒に行った思い出の旅館で、いつかまた行こうと決めていたところでした。
ここ、敷地内の広すぎる庭園と露天風呂から見える富士山がすっごいんですよ。圧巻です。ごはんも美味しい。
でもやっぱり、周りを見れば子連れも多くて。
誰も口には出さないけど、本当はこういう旅行って 孫も一緒がいいんだろうなぁー。
またいつか…ってそんなん何年後に叶うのかと思うと気が遠く、虚しくなったり。
でもそれは考えたってしょうがない。
好きなだけ酒を飲んで自由に動けるのも今だけだと割りきり、大人だけでも想像以上に楽しく過ごせた2日間でした。
1回きりの4人旅だと思ったからこそ気合いを入れたんですが、いたく気にいった両親がこれから半年に1回ペースで行きたいと言い出したのは また別のお話で…笑
ハマったこと
それとは別に、この高温期の頃…急にハマりだしたことがありました。
それは…家(マイホーム)!!
いつか欲しいなとは人並みに思っていました。
今すぐ買おうとかいう話ではないんです。
ただ、不妊治療中…しかも今から体外受精をと考えると、今から妊娠までにいくら使うのか、何年かかるのか、何もかも予想ができない。
もし妊娠と同時に貯金を使いきって仕事を辞めたら、マイホームどころか学費を貯めるのも間に合うかどうか…。
だから体外受精を始める前に、【いくら残すのか?】【いくら貯めるのか?】は決めておかないといけないなと思っていました。
と、言っても…
家って実際いくらあれば買えるのよ…?
そういう知識が何も無い私達は、とりあえず漠然と 5年で500万円のマイホーム貯金を目標に設定しました。
そしてその頃までにローン等の勉強をしながら、2人が欲しい家のイメージを固めて、夢を膨らませていこう☆と…。
そんな話をするうちに、注文住宅やらマンションのフリーペーパーを持ってきて眺めては、気に入った内装や間取りを切り取ってノートに貼るようになりました。
それが、めちゃくちゃ楽しいの。夢があって。
不妊治療してると…
- 生理中→リセットの落ち込み(+通院)
- 低温期→薬や注射の副作用(+通院)
- 排卵期→排卵逃さないか心配(+通院)
- 高温期→妊娠初期症状しか頭にない(+通院)
年がら年中こんな感じで、常に頭の中は妊娠の事でいっぱい。何か新しいことを始めるタイミングがなかなか無いじゃないですか。ちょっと先の予定は立てにくいし。
これなら体調も関係なく、好きな時に家で1人でできる。
現実逃避かもしれないけど、「こんな家に住みたいな~」と考えてワクワクしてる時間は不妊の辛さは消えました。
キャンセル周期だったから通院も薬もなく、ただ遊んで過ごすだけの高温期だったのも大きかったかな。
不妊治療を初めてから約2年半で、初めて妊娠が頭から離れました。
そうしたら急に電池が切れたように、不妊治療なんてしてる自分がめんどくさくなっちゃったんです。
特に理由はなく、もう子供はどっちでもいいかなって。
だって、どんなに豪華な理想の家でも お金さえ出せば必ず住めるんですよ。(出せるかどうかは別として)
子供はどれだけ時間とお金をかけても成功率は比例しないし、体も心もボロボロになっていくだけ。続けていれば報われるって保証もない。
しかも、多くの人は病院に行かなくても当たり前に産めるのに、です。
そう思ったらなんか…何であんなに必死になってたんだろう?
もちろん出来るなら欲しいけど、別に子供だけが人生の全てじゃない。
2人で頑張って働いて素敵な家を買って、猫と暮らしていくのも幸せじゃんって。
完全に悟りを開いてしまいました。
…そんなわけで、
私はもう猫と幸せに暮らすのもいい気がしてきちゃったんだけど。
(どうした?)
えーと…
諦めるのはちょっと早くない?
俺は子供欲しいよ?…
・・・ですよね!
現実逃避ルートは優しく瞬殺(笑) 不妊治療は今まで通り続けていくことになりました。
でも。
「妻:強く希望 / 夫:たぶん希望」と思っていた不妊治療が「妻:どっちでもいい / 夫:強く希望」に変わったことは、私のストレスを溶かしてくれました。
やる意味が見つかったというか、変な焦りや心配が無くなったというか…うまく言えないけど。
不安定な心には、そういう小さなことが大事だったりしました。
No.84に続きます。