No.41ー子宮外妊娠1回目、③

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20代から不妊治療をしているシオリとユズオ夫婦のブログです。子宮外妊娠や体外受精などの経験を絵日記風に紹介しています。

※過去4年分の事を遡って書いているため、記事はリアルタイムではありません。治療歴はこちらから

★2018年2月頃のお話です。

  • 前回のお話はこちらから→No.40
  • この話をはじめから読む→No.38

5w1d 内診室

モニターに映る小さな黒い丸。

何も言わない先生。

カーテンの向こうで、「さっきの尿4倍に希釈して」という声が聞こえました。

尿を?4倍に希釈?

…って何???

聞き間違いかな。でも確かに言ったような。

先生
先生

エコー終わります。

診察室へどうぞ。

やっぱり先生、何も言わないな。

重々しい、不穏な空気。

診察室

診察室に移動して、先生の説明がありました。

さっきモニターで、私が子宮かな?と思って見ていたのは右の卵巣だったことが判明。

右の卵管内に「胎嚢らしきもの」が見えている。

そして…尿を希釈というくだりも、聞き間違いではありませんでした。

尿の原液と、それを水で4倍に薄めたもの。それぞれで検査した2本のスティックを並べて見せてもらったんですが、薄めた方でもくっきり濃い陽性。

ここまで濃く出ている時は、正常妊娠なら必ず子宮内に胎嚢が確認できるレベルだけど、何も見えない。

…ということで、今回は子宮外妊娠にほぼ間違いないと言われました。

言葉だけは知っていたけど、

でもまさか自分が。

ただの流産じゃなかったの??

転院

今ならまだ初期だから、腹腔鏡での手術が可能。それが出来るのはこの辺だとA日赤病院だから、そこに紹介状書いていい?午前しかやってないから、明日の朝一ですぐ行って下さい。仕事??そんな場合じゃないから。しばらく休んで。行ったらそのまま帰らずに入院になることが多いから、荷物まとめて持っていった方がいいと思う。手術したら1週間くらいは入院で、その後の安静期間が・・・

…一気に色々言われ、頭が追いつかないまま話を聞くのみ。

とにかく、大変なことになっている事だけはわかる。

待ち時間

診察が終わり、紹介状を作ってもらっている間…

絶望的な気持ちで座っていました。

周りの患者さん達は淡々と、いつも通りの空気。

私だけがこんなに辛いの?

それとも皆、こんな気持ちを隠してるの?

涙が浮かんでくるけど、ここでは泣けない。

会計

受付で紹介状を受け取って、何か声をかけられたと思うんだけどもう記憶がない。

泣きそうなのを必死でこらえながら、うなずくしか出来ませんでした。

■本日のお会計…¥2400

N木婦人科はオフィスビルの中に入っていて、フロア内には人が少ない共用トイレがあります。

帰る前に、少しだけ泣くためにそこへ。

ドアを開けた瞬間…洗面台で立って泣いている女の人がいました。

もしかしたらどこかの会社の人かもしれないけど、場所的にも風貌的にも多分同じ病院から出てきた人で。

きっとこの人も、1人で涙を耐えて、耐えて、抱えきれなくなってここに来たんだな…。

皆同じなんだ。

そう思ったら余計に”ぐっ”と何かが溢れそうで、心が痛くなりました。

何も気付かないふりをして居なくなるのが一番かなと思い、手だけ洗ってすぐ出たんですが…

この時の感情を、なぜか何年たってもずっと覚えています。

帰り道

ビルの外に出たのは19時前。で、明日10時から仕事の予定でした。

この時は1人でも休んだら回らないような超忙しい飲食店に勤めていて、欠勤はめちゃくちゃ迷惑かける。

「1秒でも早く連絡しなくては」という焦りが悲しみを上回って、ビルの前で職場に電話しました。

1週間前から(万一の時に休みやすいように)妊娠していることと流産の可能性も高いことを伝えてあったので、話はスムーズ。

しばらく休めるように調整してもらい、また病院で状況がわかり次第改めて連絡することになりました。

それからユズオと母に報告のLINE。

自分で改めて言葉にしたら実感と共に一気に悲しみが爆発し、涙が溢れてきました。

人目は気になるけど止められない。

家までの道を、泣きながら歩いて帰りました。

ここまでの治療費総額…¥238,970

No.42に続きます。

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